レオナール・フジタ展を観に行きました。
仙台メディアテークにて。
ぱっつん前髪のおかっぱ頭に丸い眼鏡、ちょび髭。
似顔絵にしやすそう。ふふふ。
自画像や写真も展示されていましたが、「自分をこう見せたい」というのがはっきりしている、自己演出がうまい人という印象です。
初期の作品から始まって、有名な美しい乳白色の肌の裸婦像を見ました。
だれの絵にも似ていない乳白色です。
どうやってこういう色を出すんだろうと、絵ににじり寄りますが当然わかりません。
そして壁一面の群像大作とそのデッサン。
デッサンを見つめていると、
モデルをよく見る。そして見たものを、美しく迷いのない線で一息に描く。
そうか、絵ってこう描くんだ。絵って難しくないかもって、一瞬、それで納得しそうになる。(自分には描けるはずないのに)
簡単に描いているように見えるということではなくて、描かれた線に迷いがなく見えるのです。
すごい。
最晩年を過ごしたアトリエが現在フランスで保存されていて、その当時の彼の暮らしぶりも今回の展示でのぞくことができました。
キッチンなど、生活に関わるところにまで彼の美意識が行き渡っていて興味深かったです。
やはり器用な人だったのですね。
手作り大好きな女子みたい、なんて思ってしまうようなかわいらしいものもありました。
続いてアトリエの再現。
キリスト教に改宗し、藤田嗣治から「レオナール・フジタ」として晩年取り組んだ、礼拝堂のフレスコ画のための習作が壁に描かれており、そして彼が実際に使用した絵の具や筆、手ぬぐいや作業着が、そのままに展示されていました。
この再現を見て、本物のアトリエにも行ってみたくなりました。
素晴らしい展示でした。